2022/12/01 15:47

愛知県の閑静な住宅街にHechicami氏を訪ねました。

作陶の手順や屋号など、気になる点をお聞きしました。

作品を手にする前に是非お読み頂けたら幸いです

陶芸との出会いを教えて下さい


神戸市垂水区生まれです。高校生の時、あの大震災を経験しました。

高校3年生の時に陶芸教室に通い始めました。ゴールがない事の楽しさ、焼成による変化に魅了されましたね。大学は栄養学部に入り管理栄養士の資格を取り、料理はうつわの作陶に活かすことがきるので良い経験でした。大学時代、空いた時間は陶芸教室で働き、弟子入りのような感じ助手として陶芸に携わっていました。


大学卒業後、神戸で陶芸家として独立。NTTカルチャースクール神戸の陶芸教室の講師になりました。陶芸教室は週3日ほどで、残りは教室で私自身の作品を作り続けていました。

6~7年勤めた後、姉弟子と別の教室を作り、結婚を機に愛知県に移住しました。愛知でも安城の陶芸教室で勤めて、女の子を出産しました。ここまでは、陶芸教室の講師を勤めながら定期的に個展やグループ展、展示会をすることが生業でした。割とブレの少ない人生だと思います(笑)何かの節目毎にお声掛けされる、運が良い人生だったんだと思います!


出産後、2011年に主人の仕事の関係でタイのバンコクに移住しました。スクンビット・ソイ55、トンローに住んでいました。タイの5年間は本当に最高でしたね!もぅパラダイス!ご飯はうまい、物価は安い、本当に最高!プーケット行ったりモルディブ行ったり…。


タイでは現地の人が通う現地の陶芸教室に2~3年通っていました。下の子供の妊娠・出産の際、陶芸教室に通うことが難しくなったために、切り絵と出会いました。机一つのスペースで作れる切り絵にハマり紙を切りまくってましたね(笑)個展では、壁面を切り絵で飾って、テーブルや台に陶器を展示するスタイルになりました。切り絵は我流です。


2016年に帰国しました。現在の自宅を建てる時、自宅内にアトリエを作る!という夢を叶えました。その為に主人にはかなりの負担をかけてしまいましたが…有り難いです。結婚、出産してしばらく本格的な陶芸活動から離れていたので、もう一度作家として本格的に活動することに怖くてなりませんでしたが、主人のひと押しでやりたいこと全部やってみよう!となりました。

土間コンで床を打ち、耐熱ボードを天井まで張り巡らせ、大きな換気扇をダブルで設置して、クレーンで窯を搬入した工房を作りました。窯は電気窯を使っています。昔は灯油窯を使っていたり、今でも持ち寄りで年2回穴窯を焚いています。今でも器がメインで、植木鉢も頑張って作っています!


屋号の由来を教えて下さい

Hechicamiとは「歪んだ」という飛騨高山の方言で、「ちょっと歪んだ」という意味なんです。大学時代に本を読んでいて知った言葉でずっとノートに書き留めていた言葉です。屋号として使い始めた後、高山の友人が出来た際に歪んだという言葉の意味を聞いてみると、「それ、ブスってやで~」という事でした(爆笑)「この20年ブスでやってたわ~(笑)」という笑い話があります。自然界のものに直線は無いという様に、陶器も直線にはならないし、直線よりも曲線のほうが人に寄り添うのではないか、という想いがあります。


作陶について教えて下さい

粘土は信楽や瀬戸の土を使っていて、独自のブレンドで調合しています。

土練機を使い土を作り、作品によっては手びねりでも作りますが、基本は電動ろくろで作っています。


名前の通りで、あんまり綺麗な形を成形する、というのは目指していなくて歪んだら歪んだまま、凹んだら凹んだまま。作陶している時に作りたいと瞬間的に思った形をそのまま表現して成形しています。特に植木鉢はそのように作っています。例えば、以前に作ったこんな形を作りたいと思ってプリントアウトしたものをろくろ前に置いて成形しますが、その形になったことがありません(笑)。


成形して乾燥させから削ります。手で持ちならが削ったり、ろくろで削ったり。その際に脚を付けたりする作品もあります。素焼き前に生地とは違う色の化粧土を掛けて乾燥させた後、そこから竹串を使ってハンドフリーで模様を掻き落としをして、素焼きを行います。素焼きは700℃で行います。


取り出してから釉薬を掛けます。独自で調合した透明釉を掛けたり、織部を掛けたりすることが多いですね。本焼きは1240℃で行います。撥水剤は使っていません。取り出してから後処理して完成になります。工程はかなり多いと思います。


Hechicamiシリーズとして主に、岩シリーズ、段付きシリーズ、三つ脚シリーズがあります。是非ご覧下さい。


OMBLE:最後までお読み頂きましてありがとうございました。

愛知県の郊外、まさに閑静な住宅街と言える素敵な場所に建つHechicami邸。ご自身の作品に囲まれ、ご家族の温かみと愛情がダイレクトに伝わってくる素敵すぎるご自宅でした。どの作品もHechicami氏の人柄が現れています。是非手にとって植物を植えて育てて下さい。


Hechicami  https://omble.base.shop/categories/4824505