2022/11/22 18:14
陶芸家の沼野秀章さんを訪ねて、茨城県笠間市を訪ねました。
どのように作品が作られているか、是非お読み下さい。
陶芸家への道のり
生まれは福島、育ちが埼玉県入間市。子供の頃、油粘土で遊んだり、漫画読むのが好きで、真似して絵を書く事が好きでした。高校生ぐらいの頃に陶芸教室に通った事はありましたが、まさかこの道に進むとは思っていませんでした。
高校卒業の際、進学するか、働くかを決める時の話です。大学への進学は全く考えていなくて、かと言ってまだ働きたくも無かったんです。専門学校を色々と調べていたら、3年間通える焼き物の学校が、県内にあることを知りました。だいたいの専門学校は2年間なのに、ここならもう1年余計に遊べると思って、文化学院芸術専門学校陶磁科に入学しました。このくらいの動機で、入学前は焼き物に全く興味がありませんでしたが、「粘土いじりは多分面白いよねー」というノリで入学しましたね。
埼玉の春日部、江戸川の近くに通いました。西武池袋線の武蔵藤沢駅から所沢で乗り換え、そこから幾つも乗り継いで南桜井駅まで約2時間半かけて初めの1ヶ月通った後「こりゃもう通えない」という事で、学校の近くにアパートを借りました。
学校通っている間、笠間の薪窯のお手伝いや、好きな作家さんのお手伝いをしたりしていました。卒帳後、師事したのは駒澤博司氏。弟子を取らない方だったのですが、本当に大好きな作家さんで、「笠間に行っちゃえばなんとかなるかな」と笠間へ。
薪窯を手伝っていた作家さんにお願いをして、笠間の指導所に半年入所して釉薬を学んだ後、精土工場や製陶所で経験を積み、念願か叶って2年半ほど駒澤氏に弟子入り。草刈りをしたり、犬の散歩をしたり、とにかく横にいて仕事を見ていて、良い時間でした。
茨城県岩間で独立しました。元養豚農家に建てられていたプレハブが仕事場でした。夏は暑く冬が寒すぎる、そんな環境からスタートしました。筍が生えてくる時期、筍だけ食べてる。そんな時代でした(笑)。県内のフリーマーケットやクラフトマーケットに出て日銭を得てたり、笠間・益子の焼き物の勉強会などに足繁く出ていました。
そして、30歳ごろに現在の笠間に陶房を構え、うつわや花器、茶器や酒器を作りました。
植木鉢との出会いは、4・5年前、顧客からのオーダーを頂き作り始めました。その後、国内のみならず香港や外国からもオーダーが来るようになり、コンスタントに植木鉢のお仕事を頂くようになりました。植木鉢の制作は自由で楽しいですね。
作陶について教えて下さい
Black wrap シリーズは、その名の通り「黒で包む」という意味です。
破裂しそうなヒビを入れたり、クレーターのような色のグラデーションを入れたり、黒系色で包まれた状態を様々な世界観で表現した作品です。
電動ろくろで成形後、乾燥。丁度よい固さになったら削りを入れます。完全に乾燥した生地の上に、白い化粧土を柄杓で掛けて素焼きをすることで、この化粧土が収縮してヒビが入ります。
素焼き後、釉を外側だけ掛けて本焼きをガス窯で行います。焚き終わった時に薪を入れて、空気が入らない状態にして燻して炭化焼成を行います。炭素が釉薬や生地に吸着することでBlack wrap の景色になります。
刻ム音 シリーズは、作陶している時に聞いている音楽の音色、ビートを刻むように色を置いて躍動感を表現した作品です。
作陶のほぼ手順は同じ。素焼き前に段々と刷毛で塗り重ねていく化粧土が違っていて、素焼き後に着色して色を置いていって焼き付けて景色を作っています。
作品によって、柔らかく、激しく、美しい。そのような景色を楽しんでもらえたらと思います。
アガベ沼にどっぷりハマっているとお聞きしました
育てている塊根植物は、ホームセンターで買った亀甲竜と、鉢と物々交換をしたアデニウムたち、後はグラキリス・パキポディウム。鉢に合わせるのが楽しいですね!
最近のメインはアガベですね。いわゆるアガベ沼にハマっています(笑)
葉が展開していくのを見るのが凄く大好きです!ホームセンターで買ったBB、fo76、ノーネームのチタノタ・イタリア株、ホワイトアイス、あと益子の陶器市で交換したホリダです。
今一番欲しいのは、レッドキャットウィーズル!
鉢を買いに来られるお客様があんなに楽しそうに植物を語られるから、私も沼ってしまいました。お客様と植物の話が出来るのが本当に楽しいです!しかし見事に沼にハマってしまった…
本当に責任とってほしいです(笑)
OMBLE:最後までお読み頂きまして有難う御座いました。
沼野さん、笑顔で、朗らかで、ゆっくりと丁寧に、理解出来るまで何度も説明頂きまして有難うございました。
昼過ぎに話初めて、気づけば日が落ちていました…。時間がかかってしまい、申し訳ございません。
沼野さんの人柄が出た刻ム音、世界観を詰め込んだBlack wrap。私も使っております!
これからもガンガン音楽を聞きながらドシドシ作陶されて下さい!またお伺いします!