2022/11/20 07:35
道なりに柿がなっている事を除けば、秋を全く感じない10月下旬。
鹿児島の日置へ、永吉圭介さんを訪ねに圭介窯を訪ねました。
陶芸家への道のり
世田谷の専門学校で写真を学び、卒業後に広告制作会社で務めました。自宅の町田から会社の目黒まで通勤していましたね。バブルが弾けた後、会社を退社して故郷の鹿児島に戻り、父親が焼き物をしていたので、1年間弟子入りして陶芸を覚えました。29歳の頃でした。
初めは小さいうつわなどを習い、手を慣らしていました。
作業で印象深かったのが「土殺し」です。この土殺しから作品の「脚」が生まれました。
「棘」は、飯碗にジョークでつけたこと始まりで、棘がついた椀(トゲワン)から生まれました。
(注:圭介窯の棘は刺さるとチクッと本当に痛いです)
特徴的な「脚」や「棘」を使ったうつわや花器、酒器などを作陶していました。植木鉢に至るまで「苦節25年」です。25年、長かった…。
植木鉢作り始めて5年、売れるようになったのは作り出して2年目くらいですね。今ではオーダー頂いてから納品までざっくりと「1年くらい」お待ち頂いてますね。
鹿児島県日置市の四季を教えて下さい
鹿児島には春と秋が無いんです。どちらも朝晩だけ少し冷え込むだけで昼間は結構暑い。夏と冬が長い感じで、寝ているときに暑いのか、寒いのか極端に変わる。
ほとんど家では裸で、アトリエでも一人だと裸で作業している。「裸族」だから(笑)若干寒くなりだしたら服を着るけど、だいたい脱いでる。今日はギリギリ服を着ている。寒くなりだしたら窯に火を入れて暖を取っています。ガス窯なので。
桜島が噴火すると火山灰が日置も少しパラパラと降ってきますよ。鹿児島市内だと生活に影響があるレベル。でもやっぱり、鹿児島は桜島よ。目の前に活火山があるってのは、やはり格好良い。でも長渕剛は好きじゃなくて、私は桑田佳祐が大好き。大ファン。陶芸中はずっと桑田。
圭介窯の陶芸について教えて下さい
まずは真空土練機で粘土を作った粘土を時間を更に掛けて菊練りして成形します。これが大事!
300グラム以上の粘土を使うときは一個挽きするようにしています。その方が効率が良いんです。
ちなみに作品ごとに使う粘土の重さやサイズなどをきちんとメモしています。意外でしょ。
(注:作品ごと細かく丁寧に重量だけではなく寸法などをメモされていました)
電動ろくろで植木鉢の器体部分を成形してから、乾燥。ほぼ同じタイミングで、土殺しを繰り返しながら脚部分や取っ手の成形をして、乾燥させます。時間によっては、ありとあらゆるタコ脚ばかりを作っているときもあります(笑)。経験から、アトリエ内で乾かすところとそうでないところの場所を分けています。
乾燥具合を頻繁にチェックして、器体部分と脚部分が同じちょうど良い固さになった時に、まず器体を削ります。タコ脚部分は土殺しをしたそのままの姿の生脚です(笑)。そこで脚部分や取っ手を取り付けます。この作業が非常に大事で経験が要求されます。とにかく脚部分を付けた時に、地面と接する3点が出来るだけ水平になるように心がけています。が、このよにある陶器はすべて少し歪みがあるように、歪んでいるのでそれを楽しんでもらえたらと思います。
タコ脚や取っ手をつける作業は、経験がなければ焼き損じが多く、昔は30%くらいダメになっていましたが、今は1%以下。菊練りがきちんと出来てないと取れちゃうんですね。
「棘」はデコレーションケーキに使うような容器に入れてピュッ、ピュッ、ピュッ、ピュッと器体に付けています。素焼き前の削った後の段階で、ろくろに置いて芯を出して、定規で図りながら器体全体に筆で目印を書いています。そうすることでバランスよく棘が入ります。棘が入っている作品は、扱う人も注意しないといけないので、初心者用、中級者用、上級者用に分けて展開しています(笑)。上級者用の棘をつけるのに40分~50分ほどかかりますね。
素焼き後に撥水剤を塗り、釉薬をチャポンと付けます。
釉薬は黄・青・黒・赤・緑など、独自のブレンドをしたレシピがあります。
最後はガス窯で本焼成。1250℃くらいかな。
植木鉢に対する想いを聞かせて下さい
一年間で完全に休むのは4、5日だけ。他にやることが無い。全く無いのよ。
一年中作陶しているね。今は植木鉢の割合が多くなっていますね。植木鉢というジャンルがあって本当に助かった…。お金が無い時、アトリエとギャラリーを作った時の借金や、ギャンブルで作った借金があって死ぬほど辛かった…。借金も返済出来たし植木鉢に感謝です。植木鉢に大感謝よ。皆さん、買ってくれて有難う!
仕事やってて一番嬉しいのは、インスタなどで自分の植木鉢を投稿してくれること。皆さん、インスタにあげてくださいね!酔っぱらいはこれが嬉しいよ!
タバコはガラム。これ以上にうまいタバコは無い!ヴィンテージジッポも好きよ。
酒はビール(取材中にロング缶を3缶ほど開けていました笑)。というかなんでもいけるよ。今度は飲みに行こうね。
ただそれ以外、食べ物はオーガニックを食べています!!!そこは気をつけないと(笑)
最後に言っとくけど、俺は人間のクズで、プロの酔っぱらいで、プロの陶芸家です(笑)。
(インスタ見て下さい笑)
OMBLE:最後までお読み頂きまして誠に有難う御座いました。
赤髪で、ガラムを吸い、ロング缶を飲み、ガスバーナーまで使って実演頂いた圭介さん、ご対応感謝致します。かなりオブラートに書かせていただきました。まさに作品を見た時のイメージそのままの陶芸家さんでした。インタビュー中、ずっと笑っていて失礼しました。
かと思うと、私が見た中で誰よりも丁寧に梱包され、誰よりもキチンと作品のサイズを測り、さすがプロ陶芸家だと感じました。ギャップが凄い…。
またお伺いしますね!それまでお互い身体は労りましょう!